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2011年4月 9日 (土)

乾電池1個で使える白色LEDランプの製作 #1

 前に更新してからずいぶん経ってしましましたが、その間に大震災に原発事故
と色々ありすぎました。私のまわりでも、大学の友人が持病の悪化で亡くなり、
急遽新潟に戻って葬儀に参列したりもしました。
 なんというか、社会的に色々な面で変革の時期なのかもしれません。少なくとも
原子力の利用はこれから縮小されていくでしょう。津波でことごとく被害を受けた
東北地方から関東にかけても、復興への道のりは長そうです。残念なのは、
本来ならニュースのトップに来るであろう被災地の状況が原発と放射能の拡散
の話題で2番目以降に追いやられてている現状でしょうか。

 さて、原発と東北地方の火力発電所の被災で東北・首都圏の電力が逼迫し
ていて、計画停電等で停電する機会が増えています。そこで白色LEDランプ、
それも電池一個で使いきれるものを作成してみました。この回路自体は以前
ブログに書いた(ここ)ことがあるのですが、改良版にしてケースに組み込みま
した。

 基本回路は、ネットのベージで見かけたものです。

Led1_2 


 以下この回路の動作について説明します。まず電源投入で
N1,R1を介してベース電流が流れトランジスタのCE間が飽和しONとなります。
するとN2に電流が流れ、インダクタンスにより0から序々に増えていきます。
 一方ベース電流は抵抗R1により制限されており、増えたコレクタ電流に対
してベース電流が不足すると、トランジスタは飽和領域から不飽和領域に移
行してコレクタ電圧Vceが上昇します。
 この時、インダクタは電流連続性を維持するためコレクタ側に流れない分の
電流をLED側に押し出します。この時電圧が入力電圧よりも上昇し、いわゆる
「昇圧動作」になります。また同時にN1には逆方向の電圧が発生し、一気に
ベース電圧を下げトランジスタは急速にOFFになります。
 この状態はインダクタからの電流が0になるまで続きます。インダクタ電流
がなくなると、N1の電圧もなくなり、再び初期の状態に戻り、N1,R1を介してベ
ース電流が流れトランジスタは再びONになります。
 このモードを永遠に繰り返すことは、いわゆる「発振」している状態となります。

下図にシミュレーション波形を掲載します。
下からベース電圧、LED電流、N2電流、コレクタ電圧です。

Led2_2

 前回ブロッキング発振と書いてしまいましたが、この状態をホントに「ブロッ
キング発振」というのかいまいちよくわかりません。低電圧動作のためR1
と直列に入れるブロックコンデンサを省略しているのです。よってトランジス
タのhfe特性ばらつきの影響を受けやすくなりますが、まあ自作する分には
問題ないでしょう。

 周波数は電源電圧・ベース抵抗・インダクタンス値・トランジスタの電流増
幅率・LEDのVF電圧に依存することはわかります。
 また、発振原理から考えると、トランジスタのVbe(0.65V)以上あれば発振
すると考えられ、電池をほぼ使い切るまで光り続けると思われます。1.5V電
池一個で動作させるには最適な回路だと思います。

 LEDは直流点灯させたい場合は、ダイオードとコンデンサで整流すれば
いいのですが、今回は効率が悪くなので使いません。(整流している作成例
もあります。)このためLEDは高速で点滅することになりますが、100kHz程度
なのでわかりません。ピーク電流が増えるのでLEDの寿命への影響もあるか
もしれませんがまあ実用的には問題ないはず。昨今LED電球のちらつきに
ついての議論がありますが、あれは商用周波数の2倍(100 or 120Hz)が
問題なのであり、今回はその約1000倍の周波数のため全くわかりません。
(照明用でもないし)

Led3
作成例 写真のトランスはその辺のクランプフィルタのコアを使ったので
でかい。ツイストペア線で8回ほど巻いている。

○この回路の問題点

 LEDは本来定電流で動作させるものですが、本回路は簡単すぎて電源
電圧にかなり依存します。このため、電圧が高い新品の電池だと電流が
やや多く流れすぎるはずです。ただ、まあ実験レベルでは十分なんで、
普通の機器では使えなくなったやや消耗した電池で使うとか、電圧の低い
ニッケル水素電池をを使うとかで対応は可能です。(かなり低電圧でも動
作するので、他の機器で使えない電池でも明るく光ります。)
 尚気休め程度ですが、保護対策でエミッタに抵抗を入れています。
値はもう少し大きくてもいいかもしれません。

 解決手法はLEDの電流を検出して制御する方法があり、簡易的に簡単
にできそうですが、検出するのに検出抵抗を使うので効率が落ちてしまい
ます。このため別な簡単な方法を考え導入することにしました。
これにより新品電池でも安心して使えるはずです。

 この改良した回路での製作は次回に続きます。

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