趣味

2012年1月 2日 (月)

USBオーディオ・SE-U55SXの改良

 天災が多かった2011年も終わり、2012年を迎えました。復興・原発・政治など
問題山積みですが、今年はいい年だといいですね。

 さて、実家の新潟で新年を迎えましたが今回はピコスコープを持参して帰省。
軽くて便利です。暇つぶしに実家に置いてあるONKYOのUSBオーディオプロ
セッサのSE-U55SXの改造するためです。この機種は内部に知るひとぞ知る
問題があるのでその対策のため。(2台所有していますが、1台は対策済み。
ピコスコを入手したんで波形を見てみたいと思って。)
 この機種は5VからOPAMPを駆動するための±9Vを発生するためのチョッパ
ーレギュレータが内臓されているのですが、何故か平滑コンデンサをケチった?
ためにこの電源が異常発振しているのです。設計者はわかっていたのか部品
を乗せるためのランドは用意しているのですが、部品が実装されていません。

 容量不足のためリプルが異常に大きいのですが、後ろにさらにフィルタが入っ
ているのと、OPAMPは電源リプルに強いので音にはあまり影響がないみたい
です。しかし回路設計からすると気持ちのいいものではありません。状況により
コイルから音がでることもあるようです。コンデンサは多用しているのになんで
この一番大事な部分をカットしたのか全く不思議な製品です。対策はそこにコ
ンデンサを実装するだけです。

 波形を見ると、SW周波数は約570kHzですが、確かに両電源共約40kHzで異
常振動しています。

Seu55sx1_2

22uFのコンデンサを追加後。綺麗になりました。
Seu55sx3

コンデンサ取り付け後
Seu55sx

 ネットでは数年前から知られた状況なのですが、
 発売後結構たったあとのLOTだったんで、何か対策されているのかと
も思ってましたが、全然変わってませんでした。仕様自体はクリアしてい
るし、そのままでも機器自体は壊れることは無いからなのだろうか...。

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2011年12月23日 (金)

若松ガイガーの低温起動不具合

 世の中、福島第一原発の冷温停止「状態」のニュースが流れましたが
、主にそこから出た放射線を計るべく生まれた、若松通商のガイガーカ
ウンタにも「冷温停止」問題が。こちらは低温で起動しようとすると高圧
が出ないという現象です。
 現在本家のファームのかわりに使わせて頂いている、ファームを開発
配布しているブログを眺めていたら、車載使用で寒い日に使おうとすると
冷えた状態だと高圧が出ないという記事を見て、自分も試してみました。
 ただ車だと大変なので、家の冷凍庫に入れて暫く放置して見ました。
 結果は確かに同じような状態になります。

 原因を探るため、問題発生時ピコスコで高圧回路付近をあたってみる
と、発振は停止し、MOSFETのゲートはONもままな状態で、ドレイン
電流が流れ続け加熱してました。MOSの仕様から5Vで駆動するにはギリ
ギリなのでそのせいではと踏んでいたのですが、まさかONでラッチした
まま動作しているとは。電源を再投入すると正常に動作しました。
 ゲート電圧不足なのと電源ラインは電流制限がかかるので破壊はしな
いみたいですが、電源回路としては危険な状態です。ラッチは回路
上は電源再投入するまで直らないはずですが。過電流保護がどこかで
働いて電圧が一旦下がるともしかしたら勝手に復帰することがあるかも
しれません。また、DCINラインにはポリスイッチが入ってますが、USB経
由には無いので、USBに下手に電流容量の大きな電源を繋ぐと壊れる
かもしれません。

 対策方針として3つ考えられます。
1、MOSFETをゲート電圧閾値の小さいものにする。
2、MOSのゲートにDCカット回路か電流制限回路を付ける。
3、発振が止まらないようにする。

 1は現在600V耐圧ですが、200VもあえばいいのでもっとON電圧の低い
もののほうがいいと思います。実は電源は5Vなんですが、逆流防止に
ショットキーバリアダイオードが入っていてそこでも電圧低下があり、実質
4.8V位しかかかってません。低温ではここでの電圧ドロップも大きくなり
起動を難しくしています。ただし同時に発振回路のラッチも解決しておか
ないと危険です。
 2、はゲートONしっぱなしにならないよう、直流をカットするものです。
数点の部品で出来るはずですが、狭いところに増設するのは面倒です。
ただ安全を確実にするには入れたほうがいいのですが。
 3、は発振がゲートON状態で停止しないようにするものです。回路を読む
とこの対策は簡単なことがわかります。発振さえ停止しなければ最初動作
不安定でも、あったまってくればそのうち正常動作になるはずです。

 ということで、だらだら書いてきましたが、とりあえず一番簡単な対策の
3だけ行ってみました。
 R1はデフォルト100kΩですが、少し大きくすると上記停止状態に入ら
なくなります。カットアンドトライで今は135kΩにしています。予定通り冷
凍庫レベルではラッチ停止は回避するようになりました。ピコスコで見る
と最初不安定に発振してますが、そのうちラッチすることなく連続発振に
入りそのまま正常動作に移行しました。

 どうしてこれでラッチしないのかは気が向いたら追記して書くかもしれ
ません。

  高圧回路の発振回路はヒステリシスインバータを使ったCR発振回路
電圧制御機能を付加したものす。Tonは主にR1 C23の時定数で決まり
ToffはR2 C23で決まります。このためToffはほぼ固定されます。Tonは
R1からの電流によりC23を充電してその充電時間で決まります。
 ここでR1のOPAMP側は0-約Vccまで変化するので、それに伴い電流量
が変化し結果としてTonは電圧で可変することができます。
 MOSFETにはこの論理を反転させてゲートに印加しますので、上記Toff
の期間MOSはONします。結果としてMOSのON時間はほぼ一定で間隔
のみを、電圧で可変できることになります。
 

 ところでこの回路は、C23の充電電流が多くなると、LOのまま固定さ
れます。条件はR1とR2の分圧電圧+VFがHCT14の閾値以上になった
場合です。入力はHなので、その反転の反転でMOSのゲートはHのまま
になります。この現象は通常動作では起こらないようですが、低温でH
CT14の閾値の変化やVccの変化で起こるようです。R1=100kはぎりぎり
のところみたいです。

特に低温でMOSが正常にONできないとかで、最初の起動に失敗すると
、マイコンから基準信号は出るのに、FBの電圧は0ですから、OPAMP出
力はVcc付近で最大に張り付きます。このときに発振回路が上記LOのま
まになるとMOSがONし続けたまま反転させるきっかけが無くなり、その
まま固定されラッチした状態になります。

 ここでR1の値を大きくし充電電流を絞りVcc付近でも発振が継続するよ
うにすれば、MOSのゲートにはパルスがかかり続けます。時間が経ち温
まって正常にスイッチングできるようになればFB電圧も上昇し正常に制
御がかかるようになります。

Vco1

 発振回路のSPICEモデル。HCT14の良いモデルがないので書き換えて
ます。

Vco2_3

 閾値は必ずしも合致しませんが、このように下の制御電圧に対して
上の発振範囲は上限下限があります。上限で発振が止まらないように
したのが今回の対策です。

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2011年12月 6日 (火)

ストリナ・ガイガーカウンタVer.2のマイコンチップが届いた

☆2011/12/25 ストリナよりV2.0のバグを修正したチップ
(銀色シール)が届きました。動作試験しましたが、Ver.2銀シール
版でリセット・フリーズ問題は修正されたようです。


先日の記事でストロベリーリナックス社製のガイガーカウンタキット
の高圧発生回路についての問題について書きましたが、今日先方
のメールにあった、Ver.2のマイコンチップが届きました。
交換後早速同様に高圧回路をチェックしました。

まず駆動パルス条件ですが
 旧バージョン V1.0: オン時間: 8.71usec  周期: 98.4msec
 新バージョン V2.0: オン時間: 0.732usec  周期: 1.03msec

駆動周波数を約10Hzから1kHzに上げたのがポイントです。
これによる効果ですが、基板無改造時の電圧は下記の通りです。

BGカウント時:606V  マントルカウント時(約400cpm) 588Vとなり
V2.0では規格内に電圧が収まるようになってました。電圧の変動も
少ないです。

あと、前記事の660kΩを繋ぐ暫定対策での電圧ですが、
BGカウント時:524V  マントルカウント時(約400cpm) 503Vでした。

これで暫定対策しなくても規格内に電圧が収まるようになりました。
ただ500V位で使うのがいいみたいなので、今後も抵抗は外さず使いたいと
思います。

---
 交換後、数回勝手にリセットされて再起動がかかる現象がみられました
各種改造した影響や配線の影響なのはわかりませんが。
 SW周波数があがりノイズの影響を受けているくらいしか原因が思いつか
ないので、今数箇所ノイズ対策して様子をみています。いまのところ順調です。
暫く動かして様子をみないと結果はわかりません。

==> 結局再びリセット現象が起きました。数時間後もあれば数分後のことも。
ついでマイコンのパスコンをVccとVssピンの間に直接最短で取り付けて試験し
てます。(100uF+1uF)100nsec以上の間4V以下に落ちるとリセットがかかる
とあるので。パスコンの強化でどうなるか。
-->朝方、10時間ほど動いてリセット orz  なんなのだろう。一体。
 ICの電源端子から引き出して電圧モニターしてみる予定。マイコンの
 3つのリセット機構のうちどれかが働いているもよう。最終的にはストリナ
にフィードバックするしかない状況です。

 ただ友人のセットはこのような現象は全く起きてないみたいなので、再現
性のある現象なのかは不明です・・・・って書いてたら、3時間でフリーズし
たとの報告が。そのセットも一部信号を取り出す改造をしているものですが。
もちろんVer.1では問題なかったものです

---
 周波数UPにともなうハードウエア的な誤動作はの可能性をみましたが、
あまり関係ないみたいなので、ソフトウエアの問題の可能性が高いです。
よって現状ではVer.2は持ち歩いて線量計として使う分には問題ないです
が、USB経由での時系列でのデータ取得には使えないです。

----
2011/12/25
 特に連絡もなかったのですが、ストリナより上記バグを修正したと思われ
るチップが届きました。最初が金色シールだったのが、この修正版は銀色
のシールが貼られています。
 早速動作確認をしています。
 ・50時間以上動作して問題ないので、問題は修正されたようです。

2012/1/4
 2台所有している友人から、Ver.2に変えたら3cpmほど値が大きく
なるというので、うちの機器でも確認してみました。Ver.1は累積平均
なので同じ条件での比較です。(但し両方660kΩつき)

 Ver.1   68分 975count  14.37cpm  578V
  Ver.2   68分  1012count  14.88cpm  517V

 Ver.1のほうが少し小さめな気もしますが、言われるような数cpm
も差はありませんでした。ほぼ同じと言えると思います。
 何故なのか原因はよくわかりません。
 ところで、Ver.2での時間 [*] がVer.1相当表示だと思うので、
それで比較してどうかだと思います。移動平均表示(多分)だと結
構ゆらぎがあります。

チップの遍歴
黄色(左):最初のVer.1 銀色(中央):Ver.2 金色(右):Ver.2バグあり
Sl_geiger4

最近の測定LOG USB経由ではなく外部でアナログパルスをカウントして
います。(iPad2で) 船橋市 2Fベランダ。

Log20120131st

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2011年11月12日 (土)

ストリナガイガーをiPhone/iPadに繋ぐ

 ストロベリーリナックスのガイガーカウンタですが、元々が学習用だったという
位置づけもあるのか、表示は総カウント数と累積移動平均のCPM表示で必ず
しも使いやすいとは言えません。またUSB接続も専用アプリがいまいち使いに
くい。そこで、iPhone/iPadで公開されているガイガーカウンタ用のアプリを使える
ようにしてみました。有名なものは海外製の「ガイガーポット」ですが、国産の、
PDセンサーを使ったポケットガイガー用の専用アプリである、ポケットガイガー
プロも流用して使えます。両方試した感じではポケットガイガープロのほうが良
さげな感じでした。

○本体側の改造
 iPhone/iPadの外部MIC入力に信号をいれて、波形の数をカウントしますの
で、信号を引き出す必要があります。引き出すポイントはいくつか考えられま
すが、今回は、LED点灯改造済みのLED信号から引き出しました。
 GM管は検出電圧が高いので、直接GM管のカソードから取り出すのも可能
だと思います。ただ、本体機能を現状と同等にしたかったので、見送りました。
 あとアプリにポケットガイガープロを使う場合、信号の極性の考慮が必要で
す。これがなければ、デフォルトの回路からでも引き出せるのですが...。本来
のセンサ部からの信号にあわせてアプリが設計されているのでこれは仕方
が無いです。
LEDから取り出しているのは、パルスが正極性だからです。電源が独立
しているのでVccを基準電位にしてしまうという裏業も考えられます。
追加回路が増えますが、LEDも便利なのでお勧めです。
ちなみに、ガイガーポットは絶対値処理をしているようなので極性はどっちで
もいいようです。
 下図の赤枠内が今回追加した部分です。LED点灯回路は前回追加した回
路です。

Out

Sl_geiger3
側面にプラグ端子を追加

 iPhone/iPadへは、4極の3.5mmピンジャックで接続します。
やや特殊ですが、千石とかマルツで売っています。あと4極端子付きの
ヘッドホンを分解してもいいでしょう。

4
○動作確認

Sl_1 Sl_2
左:検出パルス 右:出力信号

 そのままパルスをレベル調整しただけではダブルカウントすること
があるので、波形を鈍らせて防止しています

Sl_3
 上図は音声キャプチャーソフトで取り込んだものを、表示したものです。
取り込まれた波形には入力波形にはないアンダーシュートがあります。
これはiPad側のオーディオ入力の低域特性によるものです。

○ポケットガイガープロ

 アプリは、iGeigerやGeiger Botかポケットガイガープロが使えます。
それぞれ試してみたのですが、一番しっくり行ったのがポケットガイガー
プロだったので今はそれを使っています。iGeigerはiOS5上では落ちま
す。Geiger Botは平均時間が短いため、低線量では頻繁に0になりま
す。(その後の調べで単に信号レベルが低すぎるのが原因。Geiger Bot
向けに信号レベルを調整すれば多分使えます。)
 ポケットガイガープロは、本来ポケットガイガー用アプリなのでデフォ
ルト設定がそれようになっているのでuSv/hへの換算は毎回設定する
必要があります。CPMはそのまま読み取れます。
 変換計数=150 閾値26にしています。これで150cpm=1uSv/hに換算
されます。
 LOG機能もありますが、サーバーへのフィードバックが要求されます。
目的外の使用なので、あまりこの方法が広まると問題があるかもしれ
ません。

Img_0059

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2011年10月13日 (木)

ストリナのUSBガイガーカウンタキットの製作と問題点

 (注)以下の内容は、自分が購入したセットの場合です。他のLOTでは異
なる可能性もあります。
 ☆12/6 V.2のチップが届いたので測定しました。結果はこちら

 最近、線量計キットがやっと入手しやすくなってきたので、いくつか組み立て
ていますが、初回挑戦から数ヶ月経過してやっとストロベリー・リナックス社製
のUSBガイガーカウンタキットを入手し組み立てました。

 これは前回の若松通商のカウンターよりもかなり組み立ては楽でした。
とりあえず動作したので、動作チェックしていたのですが、どうも高圧発生回路
に疑問点が出てきました。かなり想定よりも高い電圧が出ているのではないか
という疑惑です。このキットの高圧出力電圧は回路の構成上測定が難しいの
ですが、USBオシロスコープと、1GΩの自作高圧プローブで測定する方法を思
いつきました。昇圧後の電荷は高圧コンデンサに蓄えられてますが、放電して
電圧低下する前にオシロで波形として読み取ってしまおうというものです。
(動作中にちょんと触れて波形を読み取ります。)
 通常1GΩあればテスターで測定可能なのですが、これは1Gでも放電してしまい
テスタでは遅くて読み取れません。

Circuit

 結果はびっくりなもので、最大1170Vという結果でした。GM管の定格が650V
までですから、はるかに超えています。最初何かの間違いと思い、色々考え
たのですが、どうも実際そのくらいかかっているのではないかと思ってます。
カウント数が増えると放電で電圧低下し、マントルで400cpm位にすると、677V
程度になりました。(でもまだ高い)

Sl_hv1
測定値1.06Vx1101が実際の値。1167Vという結果に。
放電により下がっていっているのがわかります。


 比較のため、若松ガイガーでも電圧を計測しましたが、383Vと設定値とほぼ
同じ値が得られています。よって測定方法は妥当じゃないかと思っています。

 測定できるかたは追試していただければと思います。

 部品のばらつきで多少異なるかもしれません。
 とりあえず暫定対策方法も考え、うまくいきましたが、これは次回書きたいと
思います。

---

10/17 続き。
 週末やっと、ケースを買ってきて組み込みました。電池BOXは内臓できない
ので9V電池のホルダーを上に取り付ける予定。電池電源用SWだけつけて
ます。USB端子はminiUSB端子で増設しました。USBからだと、3端子レギ
ュレータをパスするので、5V電源で動作します。

 バックグランドを計った感じでは、sbm-20と同等かやや悪い位のカウント
率です。小型なのに高感度です。ただやはりこの位の感度では、5-10分の計測
時間が必要だと思います。

Sl_geiger1

Sl_geiger2

 高圧が出すぎる問題の対策は、トランスの2次側の巻線と並列に660kΩ
(330kx2)の抵抗を取り付けました。これにより、Qダンプされ、スパイクのピ
ークを少し抑えます。この対策で、BG時で約590V、550cpmで約470Vにな
っています。管が優秀なのか、カウント率はあまり変化してません。BGで
500V位にも出来るのですが、カウントアップすると電圧が下がりすぎるの
で、定格内でこの値にしてます。
 まあ理想的には高圧電源を組みなおしたほうがいいかもしれません。
なお、部品のばらつきで最適値は異なる可能性があります。

Sl_geiger3

○LED回路追加

 カウントしたらLEDが点灯する回路です。圧電スピーカの代わり
に置いてもいいのですが、それはそれで残したかったので、GM管
の検出回路に追加しました。よってマイコンとは独立して点灯します。
 音を消してもカウントが目でわかるので便利です。破線内が
追加した回路です。

Led

○10/30、11/1追記 ストリナから回答が来ました。

 電圧オーバーの可能性についてストリナに質問したところ、日曜ですが
担当者の方から回答が来ました。日曜でも働いているようでご苦労様です。

返信内容を要約しますと、
1、電圧フィードバックをかけてないので、ロットによりこの可能性がある。
2、新LOTの製品では上記問題の対策済みで、同時にCPM/uSv/h換算で
きる等機能改善した新ファームをリリースする。(仮称V2.0)
3、新ファーム書き込み済みマイコンチップを、今までの購入者には無償で送付
予定。 時期は11月上旬頃見込み。

 とのこと。従来基板ではマイコンだけでは電圧安定化できないと思うので、
従来製品もちは表示機能の改善だけはされるということだろう。(
憶測です。)
とりあえず新ファームに期待かな。というかもうすぐですね。

 V.2(仮称)の内容について再質問してみましたところ、基板等ハードウエアの
変更はない
そうです。ソフトウエアのみで出来る範囲で機能改善したとのこと。
ほかいくつか回答がありましたが、とりあえず上記件だけ報告します。

○高圧測定結果についてのまとめ。
「strina_hv.pdf」をダウンロード

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2011年9月25日 (日)

若松ガイガーカウンタ,Mark2の改造

 前回ページのコメントで紹介してもらった、ここのサイトの記事をみて、私も
時計バックアップ用電池やGPS機能とかを追加してみました。追加部品は、
定番の秋月電子と千石電商から入手可能です。純正ファームを使う上では
バックアップ電池は不要なのですが、リンク先のページではファームを拡張
してLOGをファイルで記録できるようにしており、この場合時間情報は重要
です。このLOG機能はかなり便利で、PCとか使わなくても本体だけで記録可
能です。あとからPCで取り込んで処理することができます。
 さらにGPSが使えると、時間と場所も記録されるので、移動しながら測定し
てもあとから測定場所がわかります。(GPSが受信できてればで、室内ではほ
ぼNGです)

 LOG機能は、リンク先のサイトのファームを使えばmbedの内臓メモリに
保存されるようになります。その際バックアップ電池が無い場合インターネット
に常にに繋いで無いと時計がリセットされて"1970年"になってしまいます。取り
付け方はそのサイトに譲るとして、モノは内臓するにはやはりボタン型リチウム
電池CR2032が丁度いい感じです。電池フォルダはケースメーカのタカチが出
している縦置きタイプのものを使いました。これは端子が横から出ているので、
ワイヤーで延長するには便利です。そして、ビニル袋を裂いてかぶせて絶縁
したのち、LCDモジュールの下に押し込みます。この部分は高圧部分が近い
ので絶縁には注意します。

 GPSユニットの増設はかなり苦労しました。というもの本体内部は高圧発生
回路からのノイズが強く、その高調波がGPSモジュールを感度抑圧させて感
度が悪くて外でも頻繁に取りこぼすようなのです。キット内部には「ここに付け
てくれよ」といわんばかりに、LANコネクタの真上が空いているのですが、ノイ
ズの影響あるみたい。対策には各部のシールドやノイズ対策部品の追加が
必要そうです。微弱電波を受信する分の直近に100V程度の電圧でスイッチ
ングしている部分が存在しているので困難が予想されます。
 試行錯誤の結果とりあえず内臓させるのは諦め、外にヒモ付きで増設する
ことにしました。外付けにしたところ、電池駆動でかばんにいれても受信する
ようになりました。GPSモジュールは秋月で売っている、GT-723Fを使用。
 細線型のUSB用ケーブルで延長して接続しています。

 この状態でかばんに入れて外出してみたところ、外であればきちんと緯度経度
とそのときの測定値が保存されてました。(内臓してたときは全く捕捉できなかった)

Gm_gps1
改造後

Gm_gps2
LCDの下に電池を絶縁して設置

Gm_gps3
GPSモジュール

Senryou
ログ機能の記録例

--- 追 記

 SDカードに対応したファームが公開されたので、SDカード保存してみました。
保存先を、/local/から/sd/xxx/に変更すればOKでした。
 たしかルートディレクトリはファイル数に制限があったはずなので、サブフォル
ダを作成して保存したほうがいいでしょう。
 東芝の2GのmicroSDカードで、特に問題なく保存されます。これでほぼ無尽
蔵にLOGがとれるようになりました。

 カードスロッドは、基板上にはパターンだけあるけど部品が乗っていない
状態なので買ってきて取り付ける必要があります。mbedまでの配線はされて
います。これは有名メーカ品でも200円強程度です。
 取り付けはSMD部品の手半田つけになるので、多少技術が必要です。少し
大目につけて吸い取り線で余分な半田を吸い取るといいです。端子上部にも
スロット筐体の金属があるので、そこに半田ブリッジしないように気をつけます。

 改造ファームの作者さんは、別のところにスロットを移設していますが、
私は基板上のものをそのまま利用しています。ケースの横に穴を開けることで
問題なくアクセスできています。

Gm_sd

 ネット関係も拡張されたようですが、今のところ移動測定メインで考えて
いるので、ネット関係の機能はあまり試していません。

○2011.11.5 追記

 その後の状況ですが、いくつか改造をしました。なおファームは専ら「こばさん
のファーム」を使用させていただいてます。GPSと記録機能は便利です。
 感度問題がいわれるGPSですが、自分の場合はケーブルで外付けにしたので
比較的問題ないようでしたが、入力ピンの配線をなくしてあと電源に1uFのセラコン
をパスコンとして追加しています。
 最初入力ピンをGPSユニットの筐体GNDに落としたらかえって感度は悪化。
ベタGNDだろうからいいかなと思ったら逆でした。電源端子のGNDと入力ピン間
に2uFのコンデンサを接続したらよさそうなので今はその状態です。なおこの端
子はプルアップされています。

 LCDを秋月のバックライト付き高コントランスト品に交換。付属のものは表示が
薄くて見難いので交換しました。バックライト付きは3mmほど突き出してしまいます
があまり問題はないです。ただグラグラ動くのでドア用のウレタンフォームをLCDと
ケースの間にはさんで固定しています。
 バックライトは、SWをLAN端子のあるパネルに取り付けてON/OFFできるように
しています。暗い場所でも読み取れるようになってかなり便利です。

 あと気づいた現象としては、GM管のアノード取り付けが甘かったり接触が悪い
と筐体をこづくと誤検出することがありました。GM管と基板の端子の幅があってな
くて無理やり端子を取り付けているんで接点が緩んでたりしていたかも。
 また、高圧端子の近くにネジがあるので、最初念のため外していたのですがこ
れも逆に振動にはよくなかったようで、今は全部ネジも取り付けています。持ち歩
いていて変にカウント数が多いときがある場合はこの点もチェックされるといいで
しょう。

1
エネループを使った可搬システム。GPSユニットはマジックテープで固定。
かばんに本体を入れて、GPSはかばんの上部にマジックテープで固定して
います。

2
バックライト点灯。ON/OFF可能。

3
GPSユニット。裏側にマジックテープが貼り付けてあります。

2011/12/2
 こばさんのファーム更新で省電力モードが搭載されたました。自分は専ら
ロギング専用で使用しているので最大省電力モードに設定しました。
これでバッテリーをあまり気にしなくても計測できるようになりました。
 副効果として、かばんに入れて計測しているときのAMラジオへのノイズの
被りが大分少なくなります。多分不要なポートをオフにしてクロックダウンした
ことでノイズレベルが下がったのかもしれません。GPSへの影響も少なくなった
気がします。


2012/1/31

EXCELで簡易的にログデータをグラフ化するようにしてみました。
最新の測定データです。

Log20120130
 朝晩の山は通勤で市川市内を歩いている時です。
 会社が市川にあるのですが、そこの線量がやや高いのがわかります。
山の間は会社の建物の中で、かなり下がっているのがわかります。

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2011年9月12日 (月)

若松通商販売のガイガーカウンタ・放射線簡易モニタリングポストMark2を製作

 若松通商で販売しているガイガーカウンタキット、「放射線簡易
モニタリングポストMark2」を製作しました。製品名をみてわかるよう
にハンディタイプの線量計としては設計されてなくて、本体にも操作
ボタンはなく、電源を入れると動作します。設定は内部のマイコンに
USBで接続してINIファイル修正することで行う仕様です。
 電池駆動はあまり考えてなく、実測で5V 150mA位です。使用して
いるmbedマイコンが100MHz駆動らしいのでそのせいかも。

 アダプタが付属しますが、5VなのでUSBのACアダプタでも動作し
ます。よって充電式のモバイルブースター等があれば外でも測定が
可能です。

 組み立ては電子工作としては上級者向けだと思います。自信の
無い人は素直に完成品を購入したほうがいいでしょう。
 ただ専用基板があるので、まあ慣れた人なら製作自体は楽です。
組み立て説明書がありますが、組み立て上いくつか注意点が。
LCDの取り付けは足の長いコネクタがついてますが、浮かして取り
つける必要があるので間違わないようにします。私は部品表だけ
見て工作してたら、そのまま普通に取り付けてしまい、LCDが
取り付け不能に。結局基板側のコネクタは駄目になり、新品を
買ってきて付けました。なお代替品は秋月電子にありました。
#販売している若松にあるかは確認してません。
 GM管の取り付け端子も外側にずらして付けないとはまりません。
(これも説明書には書いてあるのですが...。)
 購入したものはケースのLCDの穴とLCDパネルが微妙に合わず、
ケースの穴を棒ヤスリで削る必要がありました。

 測定結果は手持ちのDoseRAE2と同じくらいの値を示してます。
この機種は時間をかければかなり正確な値を示します。
 ところで先日の国民生活センターの調査レポートで、市販の安物
カウンタはあてにならん!と試験結果が出されましたが、なぜか
この機種も。結局試験方法自体に問題があって、レポート自体に問
題があるという話。
 ほぼ同じくらいの値を示しています。


Mk2_rae2
 GM管は旧ロシア製のSBM-20です。アルミパイプはβ線遮蔽のために
いれているようです。β線も測定したい場合は取るといいかも。ただし
この場合Sv/h換算は不正確になるはずです。(完全遮蔽にはやや薄
すぎるみたいですが)

 前に製作したCK1026使用のもの比べ動作は格段に安定していてい
いい感じです。ソフトウエアの変更で機能改善できるのもいい。
ネットワークにデータを流せるのがウリですが、自分的にはUSB経由
で簡単にデーターが取り出せると便利かも。
マイコンに詳しい友人の話では、これのソースコードに2行足せば
USBで取り出せるらしいのですが。(ターミナル経由で)

○動作確認
 各部の動作状態をちょっと確認してみました。まず高圧発生回路。
 1GΩの高抵抗プローブで測定したところ、380Vの設定で375Vの実
測値でした。プローブ自体の誤差もあるので問題ないようです。

高圧発生回路のゲートパルスとドレイン電圧波形
Hv

昇圧回路は定番のコッククロフト・ウォルトン回路ですが、 
駆動周波数は160kHz前後です。かなり高速動作させてます。
このため100V耐圧の1N4148をわざわざつかっているのかも。
小信号用SWダイオードは一般整流用より高速なので。
発振はロジックICを使ったCR形のVCOです。これをOPAMPの
エラーアンプで周波数を調整して出力電圧を制御しています。
基準電圧はmbedからアナログ電圧できていて、このため
mbedから直接電圧制御可能になってます。

波形みると100V耐圧でギリギリで大丈夫なのかとも思えますが、
逆に高圧が出すぎるのが防げるんじゃないかと思います。あと部
品が安価ですし。

○GM管検出波形
 カソード検出が一般的な中、このキットはアノード検出を使って
います。負荷軽減のためか4.7pFと小さななカップリングコンデンサ
でセンスしています。これを1000pFで容量分割して低ノイズ
C-MOS OPAMP、LMC662で検出。PINフォトダイオード検出でも
定番のものです。下図は検出波形で、青が入力で赤がLMC662の
出力です。

Gm_pulse2

 検出は負極性パルスになるのですが、実測ではICの絶対
最大定格から僅かに超えています。(GNDに対して-0.3V以内が
定格。)現状問題なく動いてますが、高線量で頻度が多くなる
と誤動作の原因になるかもしれません。
 あと回路図みると、カソード側にも検出回路がついてます。
なにに使っているのかはわかりません。波形整形してマイコン
にいれてます。(追記:波高値から分析するためのもののよう
です。ただし現在のファームでは未使用。GM管だとスペクトル
分析は無理だという話)


 ちなみにカソードの波形も結構綺麗に出ています。

 検出頻度が上がった場合、波形の山の期間に次のが来ても
大丈夫なのかなと思い、マントル線源で試してみましたが、大丈
夫のようです。

次に続く

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2011年9月 9日 (金)

USB接続のオシロを導入

 先日PCと組み合わせて使う、USB接続のオシロスコープを入手
しました。オシロといえば、電子工作を個人でやっている人にとって
出来れば欲しい一品でしたが、高嶺の花でした。昔は一番簡単な
ものでも新品で10万円程度でしたから。いまでもテスタが1万以下
なのに比べると高いですけどね。
 入手したのは英国Pico Technology製、PicoScope3204Aです。
予算と性能に応じて選べるよう結構沢山製品が出ています。日本
ではRSコンポーネントと秋月電子が販売代理店になってます。秋
月のほうが安いです。

 早速ためしてみましたが、かなり使えます。表示や機能は値段
相応ですが、パーソナル用と考えればでは必要十分です。
 表示は初期のデジタルオシロな感じ。最近はデジタルオシロも
アナログオシロちっくな表示が出来るようになってますが、昔は階調
が1か0のみで濃さや滲みでわかるアナログな感覚がわからなくて、
不評だったのですがこれは丁度そんなかんじ。
 まあでも使えないわけではないし、メモリーは結構多いので
拡大すると細かいところもちゃんととられてます。
(昔のデジタルオシロはうん百万のものでもズームすると波形が荒
くて使えないのも多かった...。それに比べればずいぶんいい。
さすがメモリが安価になったおかげ。)

 オーディオのアンプとかの工作だとテスターあれば十分なことが
多いですが、今陰ながらトレンドなGM管を使った工作やPIN PD
を使った工作で、自分で色々改良とかしようと思うと、オシロが無い
とお手上げな事が多いです。検出波形がわからないと、状況の
把握に無駄に苦労します。まあそんなわけで導入したのですが、
昔から欲しかったというのもあります。

 テストとして、NTSCのアナログビデオ信号をみてみました。アナログ
放送が終了したので、今はレコーダやチューナでエンコードされた
ものしか見れません。

Ntsca
 2ラインを表示しています。停止状態でズームしても、3.58MHzの
カラーサブキャリアがちゃんと見えます。
 ここで垂直帰線区間にある、コピー制御信号CGMS-Aを見てみ
ましょう。アナログTVではここに、文字放送やゴーストキャンセル用
信号や放送局が特性確認に使う信号が入っていて興味深かったの
ですが、いまはCGMS-Aしかありません。ある意味寂しい限りです。

BDレコーダRD-BZ700で地デジ受信したとき。
画面に出ないライン21Hになにかあります。これがCGMS-Aの信号で
これは多分コピーワンスのフラグだと思います。
コピーガードと違い、NTSCの規格に逸脱しないのでTVやレコーダにも
優しいです。ただ録画器側で積極的に検出対応しないと反応しません。
でも市販品は殆ど対応されているのが現状です。

Gcmsaco

録画再生するとかわります。コピー不可フラグでしょうか。
ちなみに22Hにもなにか波形がありますが、何につかっているのか
不明です。東芝独自の何かなのかも?レコーダで再生するとこれが
出ます。
Gcmsacf

まあ、こんな感じで色々見れるようになりました。

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2010年2月27日 (土)

真空管ラジオを調整

 今週末は新潟に戻っています。通院のためです。

 年明け早々、父親が作った真空管ラジオキットが完成したというので見て
みました。ハムズ・オフィスのもので、5球の中波・短波の2バンドラジオです。
 一応問題なく音が出ています。

 ちゃんとした発振器や測定器が無いので完全な調整は難しいのですが、
周波数直読できる、ICF-SW7600GRがあるのでこれを測定器がわりにし
て調整してみました。このラジオは1KHz単位で150kHz~29,999kHzまで連
続受信できます。これで局部発振の周波数が直視できます。

 IF(中間周波数)の調整は 受信周波数=局部発振周波数 - IFなので、既
知の周波数の放送電波を用いSW7600GRで局部発振の周波数を受信し
て、調整します。(まあ調整用にセラロックなんかで455kHzのSG作っても
いいのですが)
 まずICF-SW7600GRを、受信周波数+455kHzにあわせて、真空管ラジオ
の局部発振器の漏れ電波を受信します。中間周波トランスが、455kHzの
バンドパス特性であれば、真空管ラジオから放送波が聞こえるはずです。
 あわせてみると、少し離れた場所にピークがあって、470kHz位になって
いるようです。まず中間周波トランスのコアを回して、聞こえるべき周波数
で音が出るように調整しました。
 付属の中間周波トランスは無印で元々何kHzで設計されたのかわかりま
せん。もしかしたら高めだったかもしれませんが、一応調整はできました。

 ついで受信範囲を調整します。特にダイアル目盛もないので、結構適当
になってしまいますが、仕様の受信範囲が受かるようにします。
 みるとかなり上側にズレているようでした。低いほうが受信できません。
 バリコンを最大容量側にして発振コイルのLを序々に増やし、低い周波数
で発振するように調整。ついで、バリコンを最小容量にして、トリマーコンデ
ンサで高い周波数で発振するよう調整します。

 最後にトラッキング調整。アンテナ同調回路を受信周波数に合うように
します。低い周波数は同調コイルのLで、高い周波数はトリマコンデンサで
調整しますが、完全には合わないので、よく聞く周波数帯の感度がよくな
るよう調整しました。

 感度は地元局を聞くには十分ですが、遠距離はあまり受信できません。
短波はおまけ程度です。短波の調整法も書いてありませんでしたが、受信
範囲が7MHz~15MHzとあったので、上と同様に調整しました。

Vtradio1
外観

Vtradio2 Vtradio3
後ろと裏側

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2010年2月 9日 (火)

使い古した電池を使って、白色LEDを超簡単な回路で点けてみる

 最近照明でも話題の白色発光ダイオード(LED)ですが、実は1.5V電池一個
そのままでは発光しません。何故かというと、電流が流れ始める電圧が1.5V
よりかなり高いのです。(これをVF(順方向降下電圧)といいます。)
 このVFはずべてのダイオードにあって、普通のシリコンダイオードで0.65V位
赤色のLEDで2V強になります。赤色LEDは1.5V程度でも少し電流が流れるので
暗いながら光ります。しかし、青色LEDやそれから派生した白色LEDはこのVF
が3.5V程度と高いため、1.5V程度では全然光りません。

 これを電池一個の1.5V以下でも光らせるためには電圧を上げる回路が必要
になります。これを昇圧回路といいます。この回路には色々考えられますが、
基本的に発振回路とスイッチング回路と、リアクタは必要になります。
真面目に設計するとICを使った結構な回路になってしまいます。しかしこれをIC
を使わずにLEDも入れてたった4つの部品で実現できるそうな。使うのはトランジ
スタ1個、抵抗1個、自作トランス1個と白色LED。バラックなら巻線入れても数分
で出来上がります。

元ネタのページです。イギリスのサイトのようです。
http://www.emanator.demon.co.uk/bigclive/joule.htm

Circuitd

 いや、なんか結構こうゆうの私好きですね。これだけでブロッキング発振して
発振、昇圧を同時に行えます。実際は高速でLEDは点滅しているのですが、
50kHz程度の周波数で動作するので、連続して光っているように見えます。

 肝は、トランスですがインダクタンスが数十uH以上あって、結合がよければ
なんでもよさげです。あえて1:1の巻数比なので、ツイストペア線(要は2本撚り
線)をぐりぐり巻きます。この巻き方は結合が良くなるのでいいです。
 トランジスタは0.5A程度コレクタ電流が流せれば何でもいいみたい。日本製
だと2SC1213とか2SC2120などでよさげ。メジャーな2SC1815は少しパワー的
に不安かな。今回手持ちの2SC1213で実験しました。
トロイダルコアはなんか部品入れに転がっていたやつを使いました。もしかし
たらノイズフィルタ用で本来用途的に向かないものかも。
(ノイズ用はわざと高ロスになっている)まあこれは実験なんでこのまま使い
ます。

 その辺の細めの普通のワイヤーでまけるだけの8Ts巻線して、作りたての
LCメータで測定すると、145uH位ありました。あとバラックで適当に配線して電
池を繋ぐとあっさり点灯しました。コア断面積余裕で磁束を使ってないためか
あまりコアロスの影響はないみたいです。

4partswled2

 この回路、保護回路も何もないので、あまり元気な電池だとちょっと不安が
あります。使い古して、電圧が1.2V以下になっているほうがいいかもしれま
せん。それでも画像程度に明るく光ります。非常用にもいいし電池を最後まで
使えてエコにもなるかな。
 次いで遊びで転がっていたバーアンテナのコアでトランスを作ってみました。
棒に巻くと普通結合が悪くなるのですが、平行に二本まいたので結合はいい
です。実測で0.997位はあるようです。これを先ほどのトランスの代わりに繋い
でみました。結果やはり普通に光ります。

4partswled3

 開磁路なので、巻数はさっきよりかなり多いですが、インダクタンスは73uH
位になっています。磁束は外部に駄々漏れ状態です。

 この状態でAMラジオに近づけると盛大に高調波の不要輻射が混信します。
まあラジオの受信アンテナに使っているんで逆もしかりということです。ただ影
響する距離はせいぜい数十センチ位です。高調波でこんな感じなんで動作周
波数の60kHz付近では結構強力かも。多分電波時計が近くにあると混信し
て動作しないと思います。(ちなみにトロイダルは殆ど磁束が漏れないのでト
ロイダルのほうがやはりいいですね。)

追記
 普通に売られている、ノイズ防止用のクランプフィルタで作ってみた。
手持ちのクランプフィルタなんで無駄にデカイが。小さいやつでも大丈夫でしょう。
ツイストペア線を6回穴に通しています。インダクタンス約50uH/1kHz 発振周波数
約48kHz。今回のトランジスタには東芝の2SC2120-Yを使用。

W_led

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